食レポ投稿

あれ…お前いたっけ…?

中学生のとき、クラスに高橋くん(仮名)という奴がいた。彼は運動ができるわけでも、勉強ができるわけでも、オタクでも、陽キャでも、顔がいいわけでもない。目立たなさすぎて、いじめられもしない。

味噌ソースは、そんなイメージ。なんか、レパートリー全部に地味にいるけど、特に気にならない。わざわざ食べようかなとはあまり思わなかった。ただ、なぜか一定の人気がある。不思議だった。

 

しばらく経って、ささみカツが復活した。トンカツが野球部のイケメンとしたら、ささみカツはサッカー部のイケメン。怪我から復帰しただけで、クラスではとてももてはやされる…が、地味に味噌ソースも付いている。謎のセット。

 

…お前、いたっけ?

 

と疑問に思いながら注文。

提供口にいくと、なぜかしっくりくる。なんか、いた気がする。卒業アルバムをめくったときの感覚に近い。

そして一口

 

…あ、甘い。

 

味噌ソースは濃く、そして甘い。コッテリしすぎていて、万人受けする味ではない。ただ、なぜかささみかつにとても親和性がある。ささみのほのかな甘みが引き立ち、少ない脂っ気を味噌で補う、とてもシンクロしている関係。

 

そういえば、一度高橋くんがクラス一イケメンのサッカー部と2人で帰っていたのを思い出した。あいつら、幼なじみだったっけ。

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